迷ったらこれ!ダイエット中におすすめの夜ご飯の選び方

炊飯器で炊いたご飯

ダイエット中でも夜ご飯の量を減らしたくないと考えているけれど、夜ごはんを食べると太るからダイエットにならないと思っていませんか?

 

実は、ダイエットをしようと思って間違った夜ご飯の知識を身に着けている人も少なくありません。

 

夜ご飯を抜くと満足感が得られずダイエットが長続きしないばかりかストレスを感じると分泌されるコルチゾールというホルモンの分泌で脂肪がつきやすくなってしまいます。また、チートデイに過食してしまいリバウンドする確率も上がってしまうでしょう。

 

そのような事態を防ぐ為にも、今回のコラムでは夜ご飯を我慢せずに太りにくい身体に導く食品の選び方や食べ方のコツについて管理栄養士がお伝えします。

 

夜ごはんとダイエットのポイント

同じ量の炭水化物を摂った場合、朝や昼のようにこれから活動する時間帯に食べるのと、あとは寝るだけの状態で食べるのとでは太り方が違います。

 

1日に食べる食事の量割合をご存知ですか?

 

夜は気分もリラックスし、ついつい食事量が多くなってしまいがちですが、食事量は朝:3昼:5夜:2とも言われており、夜の食事量はそれほど多くなくて良い事がわかります。しかし、手っ取り早く体重を落としたいために夜ご飯にサラダだけ、炭水化物を完全に抜いてしまうなど極端に食事量を減らしたしまうと1日のトータルエネルギーが不足してしまう危険性があります。

 

エネルギーが不足すると代謝が落ちて痩せにくい体になってしまうので注意が必要です。ダイエット中の夜ご飯のポイントは食べる量を減らす事ではなく、時間帯やメニューに気をつけてみましょう。

 

和食の煮魚や煮物は健康的な食事に見えますが、砂糖、みりんなどの調味料に多くの糖質が含まれていますので要注意です。その他にもケチャップやソースにも糖質が多いので覚えておきましょう。人参やいもなどの根菜類やカボチャは糖質を多く含みますので、糖質の少ない葉物野菜やキノコ類も満遍なくしっかり食べるように工夫してみましょう。

 

ダイエット中におすすめの食材と食べ方のコツ

ダイエット中の夜ご飯で気を付ける事は、朝、昼同様にできるだけ栄養のバランスが偏らないようにする事です。

 

炭水化物

ダイエット中に白いご飯を食べる事に罪悪感がある方にオススメなのは雑穀米です。特に十六雑穀米はビタミンD以外のビタミン、ミネラル、食物繊維を含み栄養満点です。

 

お米は炊き立ての状態より冷めた状態の方が血糖値の上昇が穏やかになる事を知っていますか?

 

雑穀米もおにぎりにして冷めた状態で頂くとより血糖値の上昇を抑えられます。また、のりまきや寿司も冷めた状態で食べる事に加えてタンパク質などの具と一緒に食べる事で血糖値の上昇がゆるやかになりますよ。

 

タンパク質

肉や魚介、大豆食品、卵などに含まれるタンパク質は三大栄養素の1つで人間の身体作りに欠かせない栄養素です。寝ている間にも筋肉の成長やお肌の新陳代謝を促してくれるため、夜ごはんにもタンパク質を取り入れるようにしましょう。

 

更にタンパク質の摂取量を増やす事で脂肪が燃焼しやすい痩せ体質に。肉や魚は高たんぱくで脂質が少ない赤身を選びましょう。脂質が少なくダイエットに欠かせない栄養素なので、夜ごはんにも取り入れたい食材です。

 

食物繊維

食物繊維には便秘を予防する整腸作用や血糖値の急上昇を抑える働きがあります。また、現代人が抱える様々な病気の予防に役立つ一方で、日本人は不足しやすい事が問題視されています。

 

ダイエット中は夜ごはんにも食物繊維を意識して摂るようにしましょう。

 

食物繊維は水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維に分類され、それぞれの働きが異なります。不溶性食物繊維は腸の働きを刺激して腸内に発生した有害物質を排出させる作用があります。排便の量や回数を増やすため、便秘予防や大腸がん予防にも役立つと言われています。

 

水溶性食物繊維は、腸内でのコレステロールの吸収を妨げ、糖質の吸収速度を緩やかにする作用があります。簡単に水溶性食物繊維を摂るには、めかぶ、もずくなどの海藻類がオススメです。これらはパック入りの商品が安価で購入できるので、冷蔵庫に常備しておく習慣をつけましょう。

 

ダイエットの基本はゆっくりと食事をとりよく噛む事です。食物繊維が豊富な食べ物はよく噛む事が必要になりますので、噛む事によって満腹感も得られ、早食いや食べ過ぎ予防にもなります。

 

食物繊維についてはこちらをご覧下さい。

食物繊維とは?食物繊維の働きと増やし方

 

良質な油

油は太るからダイエット中にはちょっと…と嫌煙されがちな食品ですが、良質な油はダイエットに効果的な事をご存知ですか?

 

良質な油は代謝を活発にして脂肪細胞の増加を抑制してくれます。ココナッツオイルやMCTオイルは中鎖脂肪酸が豊富に含まれエネルギーになりやすく脂肪の燃焼効果を高めます。魚やえごま油などのオメガ3系脂肪酸は血流改善や血圧を下げる効果があります。また、普段使いには酸化しにくいオメガ9系のオリーブオイルや米油がおすすめです。

 

こんな油は要注意

 

・酸化した油

揚げてから時間が経っていたり何度も使用している油は身体のサビつきである酸化を招いて老化を早めてしまいます。油を選ぶ時は新しい物を選びましょう。また、光からの酸化を防ぐ為に購入したら涼しい冷暗所で保管しましょう。大きい容量の油は使い切るまでに酸化が進むので、小さい容量の物を買うようにしましょう。

 

・オメガ6系脂肪酸

一般的に売られているサラダ油などを指します。普段の食事で自然と量は摂れているので不足する心配はありませんが、現代人は過剰になりがちな油ですので普段の食事にプラスして摂るのは控えましょう。

 

・トランス脂肪

トランス脂肪酸は自然界に存在する油ではありません。人工的に作られた油なので肝臓で代謝されにくく、心疾患の原因にもなると言われています。コーヒーフレッシュやマーガリン、ケーキや菓子パンを作る時のファストスプレッドなどに含まれています。

 

選ぶならどっち?迷ったらこれ

ダイエット中に〇〇と〇〇ならどちらが太らないかな?と悩んだ事はありませんか?

食べ物に含まれる栄養素の特徴から、クイズ形式で見ていきましょう。

 

主食編

摂りすぎると脂肪になりやすいと言われる炭水化物ですが、ダイエット中も完全に抜いてしまう事はNGです。太りにくい糖質を賢く選びましょう。

 

そばVSうどん

そばとうどんの場合、ダイエットに向いているのはそばだと考えられます。その理由は、そばには脂肪や糖質の代謝を良くするビタミンB群が豊富だからです。またうどんに比べて食物繊維も豊富なため便秘解消効果も期待できます。さらにそばはうどんと比べて血糖値の上昇がゆるやかであり、ダイエット向きと言われる事が多いです。

 

野菜サンドVS卵サンド

サンドイッチの選び方にもダイエット向きの工夫があります。一見野菜サンドの方がヘルシーでダイエット向きに思えますが、卵サンドのほうがダイエットに適しています。ポイントはカロリーで選ばない事です。ここではタンパク質が入っている事がダイエットに向くポイントになります。卵サンドだけではなく、チキンやツナにもタンパク質は含まれます。

 

家で作る場合はタンパク質が豊富な鯖缶やサラダチキンなどがオススメです。パンを全粒粉入りにすると食物繊維が増えてよりダイエット向きになります。

 

おかず編

次は、おかず編です。

ロースVヒレ

とんかつを選ぶ時はロースよりも脂身の少ないヒレ肉がオススメです。赤身のヒレ肉は筋肉の材料となるタンパク質が豊富で、筋肉を増やして代謝を上げるメリットと、Lカルニチンという栄養素を含み体脂肪を燃焼させる効果も期待できます。

 

おでんの練り製品VS卵

おでんは一見ヘルシーなおかずに見えますが、ちくわやさつま揚げなどの練り製品は糖質が多いため、タンパク質の多い卵を選ぶのがベターです。

 

お酒編

ビールとワイン、どちらがダイエットに適しているのでしょうか?解答を見ていきましょう。

 

ビールVSワイン

お酒はアルコールよりも含まれる糖質の量で太りやすくなります。ビールは糖質が多く、ワインは糖質が少ないので夜ご飯の時はワインを選ぶようにすると良いでしょう。

 

白ワインにはダイエット効果があると認められる論文も存在します。他にも糖質の量を気にせず飲めるお酒はウイスキーや焼酎などがあります。夜ごはんにお酒を楽しみたい場合はおつまみの選び方にも注意しましょう。少量のアルコールにはリラックス効果もありますが食欲を増進させる作用があるため、お酒のカロリーに加えて高カロリーなおつまみを選ぶと消費しきれなかった過剰分が中性脂肪に変わり、太りやすくなってしまいます。

 

また、翌日はアルコール代謝の影響でビタミンやミネラルが不足するため脂肪がつきやすい状態になります。お酒を飲んだ翌日はタンパク質や食物繊維を意識的に摂り、消化に良い食事を心がけましょう。豆腐や肉団子入りの野菜スープなどがオススメです。

 

スイーツ編

夜にこっそり食べたくなる甘い物。和と洋ならば、選ぶのはこちらです。

 

おまんじゅうVS洋菓子

洋菓子には牛乳、小麦粉、砂糖がたっぷり使われている事に加え、バターの代わりにトランス脂肪酸を含んだマーガリンが使われています。コンビニに売られている小さな洋菓子でもごはん1膳分程のカロリーがありますので、甘いものを食べたいなら食物繊維やカリウムを含んだあんこのお菓子をオススメします。

 

おまんじゅうの皮も小麦粉からできていますが、洋菓子に比べて使用料は非常に少ないです。しかし、おまんじゅうを選んだとしても夜に大量に食べると脂肪に変わってしまいますので、どうしても甘い物が我慢できない時はカカオが70%以上含まれるチョコレートを少し食べるなどの工夫をすると気持ちが落ち着く事があるので是非お試し下さい。

 

ダイエットに向かないコンビニご飯はこれ

帰宅が遅くなった時に便利なコンビニ食品の中でも、太りやすく選ばない方が良い食品があります。もし頻繁に買っているなら注意が必要です。

 

・丼

ごはんの割合が多い丼は糖質の量が過剰になってしまいます。カレーやマーボー丼は脂質も多く栄養バランスが偏ってしまいます。ホワイトソースやデミグラスソースなども甘くなくても砂糖が使われていますので毎回選ぶのはやめておきましょう。丼を選ぶ時は丼ものに納豆や茹で卵などのタンパク質と野菜をプラスしましょう。

 

・菓子パン

菓子パンは手軽で種類も豊富なため、ついつい手にしてしまいがちです。しかし、小さいものでも糖質量が多く、避けたい油であるトランス脂肪酸も含んでいるためダイエット中の夜ご飯には不向きです。おやつで食べる際にも量を減らすか、低糖質の物を選びましょう。

 

・レジ前のホットスナック

揚げ物は酸化した油が使われている可能性が高いので、ダイエット中のおかずでは避けた方が良いでしょう。選ぶならチルド商品の焼き鳥を選び、タンパク質を補給しましょう。

 

・ゼリー飲料

ゼリー飲料は時間がない時に手軽にエネルギー補給ができるメリットがありますが、砂糖や人工甘味料、果糖ブドウ糖液糖(トウモロコシを加工して安く大量に作る事ができる甘味料)が含まれる物は注意が必要です。空腹時に摂取する事でより血糖値が上がりやすくなります。あくまでも間食に栄養を補給する目的で利用しましょう。

 

睡眠の質を下げない夜ごはんの食べ方

夜ごはんの後に待っているのは睡眠ですよね。夜ごはんのチョイスで睡眠の質が下がる事があります。睡眠の質が下がれば太りやすい体になってしまうので注意が必要です。

 

睡眠の質を下げる食事

カフェインには覚醒作用があり、カフェインを摂取してから血中濃度がピークに達するのは30分~1時間後と言われ、減っていくのは3~5時間程度かかります。眠る直前にカフェインを摂ると寝つきが悪くなったり眠ってから目が覚める回数が増える事が問題になり、睡眠の質が落ちてしまいます。ので就寝時間の4時間前からはカフェインの入った飲み物は控えるようにしましょう。

 

仕事で夜ごはんが遅くなる事はありませんか?

就寝時間までの間に時間が無いようでしたら、消化に時間のかかる揚げ物や炒め物などの油ものは控えましょう。寝つきが悪くなってしまったり、夜中に目が覚めてしまうなど、睡眠の質の低下に繋がりやすくなります。また、就寝の3時間前までには夜ご飯を食べ終えるようにしましょう。

 

睡眠の質を上げる食事

アミノ酸の一種であるグリシンは睡眠の満足感を向上させ日中の眠気を改善するなど睡眠の質を向上させる効果があると言われています。グリシンは神経伝達物質としての役割を果たして睡眠時に必要になる体温の低下をもたらし、入眠をスムーズにする働きがあるとされています。

 

グリシンはエビやホタテなどの魚介類に多く含まれていますので、睡眠の質が気になる方は食卓に増やしてみてはいかがですか?

 

まとめ

いかがでしたか?

 

夜ごはんは1日の締めくくりのリラックスタイムと位置づけている方も多いのではないでしょうか。ダイエットの為に夜ごはんを抜くと翌朝までの長い時間空腹感を我慢する事になるので長続きする可能性は低いでしょう。また、炭水化物抜きなどの極端なダイエットも身体を壊す原因となってしまいます。

 

タンパク質や食物繊維、良い油を意識して夜ごはんは抜かずに健康的なダイエットにチャレンジしてみてはいかがですか?

 

炭水化物の少ないお酒との付き合いに慣れてくれば、肝臓の数値にも良い影響が出るでしょう。最後に、普段は何気なく食べている夜ごはんの時間も気にするようにしてみましょう。夜ごはんが遅くなってしまう場合は17時頃におにぎりなどの炭水化物を食べ、家に帰ってからは軽い食事で済ませるようにすると脂肪が付きにくいですよ。

 

ダイエット中の夜ご飯が苦痛にならないように工夫しながら健康的な身体を手に入れましょう。

社員の健康管理はライフサポートサービス株式会社へご相談下さい。

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執筆者プロフィール~日比野 真里奈~
管理栄養士/健康運動指導士

生活習慣病になる人を減らしたいという思いから管理栄養士を目指す。
病院や高齢者福祉施設で栄養指導や栄養ケアマネジメントの経験を積み、現在は離乳食、食育、
生活習慣病予防、女性の健康の分野で食事から健康をサポートする仕事に従事している。2児の母。