あなたは「時間」について考えたことはありますか?日常において、仕事の締め切りや次の休みまでの期間はすべて「時間」が存在していますが、形のないものなので実感として想像するのは難しい場合もあります。
現代人の時間の使い方として最近よく耳にするのは「1.5倍速で動画を見る」「音楽はサビから聴く」という事例です。少し極端ではあるものの、多忙な日々や、物事・人と現代人がどう関わっているのか、象徴しているようにも感じます。
昔から変わらないはずの24時間を生きる私たちは、なぜこうも時間に支配されているのでしょうか。
そして、24時間をまるで36時間あるかのように、華麗に、趣味や自分磨きに時間を使う人もいます。
時間の使い方が上手い人について、考察していきましょう。
時間の使い方で人生は変わる?
時間とは目に見えないものですが、ここで想像してみてください。時間を「資源」だとイメージしたらどうでしょうか。
時間を資源として捉えると、この資源は無限ではないことに気付くでしょう。1日24時間、1週間に168時間。これを何度繰り返すことができるかは、とても不明確です。
限られた時間という資源を使って、私たちは自分の人生を運営します。具体的には、時間を目標達成に向けた活動や学びに費やせば、スキルが向上し、キャリアや生活の質が向上します。また、人間関係に時間を投資すれば、家族や友人との絆が深まり、精神的な安定や幸福感を得られるでしょう。
健康に関しても同様で、適切な時間を使うことで健康を維持し、より多くの機会に積極的に取り組むことが可能になります。
時間という資源は有限だからこそ、何に時間を割いて、どう意図的に選択をしていくのかが大切だと分かります。
当然、時間という資源を無駄使いすれば後悔が増え、達成感や満足感の乏しい人生を送ることになりかねません。つまり、時間の使い方次第で、私たちの人生は大きく変わるのです。
時間の使い方が上手い人の特徴
趣味に自分磨きに、仕事もしてしっかり自炊もする。そんな何でもできる人、あなたの周囲にもいませんか?
時間の使い方が上手い人は、限られた時間を最大限に活用し、充実した生活を送るための工夫を常に行っています。
効率的に日常のタスクをこなし、バランスの取れた時間配分を意識しながら、目的に向かって無駄な時間を極力排除しています。
時間の使い方が上手い人の習慣や思考法には、人生を豊かに改善するためのヒントが多く含まれているのです。どんな特徴があるのか、具体的にみていきましょう。
集中力がある
時間の使い方が上手い人は集中力が高いことが特徴です。
するべきことを短時間で終わらせることに全力を注ぎ、他のことに気を取られることなく効率よくタスクを進行していきます。
集中力を維持するための工夫が上手いとも言えるでしょう。たとえば、仕事に取りかかる前に明確な目標を設定し、休憩を適切に取りながら疲労を防ぐなど、自分に合った方法で集中力を高めることに長けています。
そのため、多くのタスクがあったとしても、自分でスケジュールを確認しながら確実に成果を出していくのです。
物事を後回しにしない
時間の使い方が上手い人は、物事に気付いたときに着手する癖をつけています。
タスクや問題を先送りにせず、すぐに取りかかることで、ストレスや時間の無駄を最小限に抑えることができるため、時間の使い方に余裕が生まれるのです。
物事を先延ばしにしないことで、急な予定変更や予期せぬトラブル、イレギュラーにも柔軟に慌てずに対応できます。次に「取り組むべきこと」が前倒しで見えてくるので、常に前進している感覚と言えるでしょう。
自己分析できている
自分の強みや弱みをよく理解することで、どのような状況で自分が最も効率的に働くことができるのかを把握することができます。
たとえば、朝に活動するのが良いのか夜の方が向いているのか、こういった単純なことでも自己分析すると効率の良し悪しは変わってきます。
何が自分にとって無駄な時間かを明確にすることで、ストレス源や疲労の兆候にも敏感となるため、休憩やリフレッシュの方法を取り入れることも可能に。
結果、持続的に高いパフォーマンスを維持できるため、限られた時間内で最大限の成果を出すことができるのです。
習慣化の癖ができている
習慣化とは、無意識のうちに行動をしていることを指します。
たとえば、朝の歯磨きや着替えといった「考えないでできていること」が習慣化です。
時間の使い方が上手い人は、自分にとって効果的な行動やルーティンを習慣化する傾向にあります。朝の30分を勉強に使う、お風呂の時間までにストレッチをする、などといったちょっとした時間で自分を高める活動を取り入れることが得意です。
習慣化には、少しの工夫とトレーニングが必要です。詳しくはこちらで解説していますので、ぜひ合わせてお読みください。
決断力がある
時間の使い方が上手い人は、決断力に優れていると言われます。自分にとって何が重要で何がそうでないかを素早く判断し、適切なタイミングで決断を下すためです。
決断できることで、時間を無駄にすることなく効率的に行動に移すことができるため、決断を先延ばしにせず時間の余裕が生まれます。
決断を迅速に下すことで、周囲からの信頼も得やすくなりやすいといった相乗効果も期待できます。周囲からの信頼が厚いと、物事に協力的な人との出会いも期待できるため、さらに業務効率が上がる可能性が高まるのです。
「NO」と言える
時間の使い方が上手い人は、「NO」と言える強さがあります。なぜなら、時間が限られた貴重な資源であることを理解しているため、他人の要求や誘いに対して断ることができるのです。
多くの人は、他者の期待に応えようとしてつい過剰な負担を抱え込んでしまいます。対して、時間の使い方が上手い人は、自分のキャパシティを理解し、必要以上に仕事やタスクを引き受けないようにしています。
「NO」と言えるメリットは、自分にとって余計なタスクや責任を引き受けることを避けられることです。自分の目標や計画に時間とエネルギーを集中させることができるため、時間を効率よく自分のために使うことができるのです。
気の進まないことに対して「NO」と言うことができる人は、自分の価値観や目標に忠実ということです。
もちろん、わがままなだけが理由では人が離れる可能性もありますが、何でもかんでも受け入れてしまうのは自分の時間を削るだけの行為。
周囲の期待や外部の圧力に流されることなく、自分の時間を自分のために使う術として、時にしっかり「NO」と言えるようにしましょう。
時間の使い方を習得するメリット
時間の使い方を習得することは、業務上のみならず、個人の生活、もっと言えば人生において非常に有益なスキルです。
現代社会では、限られた時間をいかに賢く活用するかが、成功や満足感を左右する要因と言って過言ではありません。時間を管理する力を身につけることでどんなメリットがあるのでしょうか。
充実感が出る
時間の使い方を効果的に習得することは、生活全体に大きな充実感をもたらします。どのように時間を使うかを管理できると、日常生活の中で無駄な時間を減らすことができ、その結果、より多くの時間を有意義な活動に充てることができます。
1日24時間を有効に使うことで、目標達成への道筋が明確になり、自己成長を実感する瞬間が増えるでしょう。
ただダラダラと時間を過ごすのではなく、目的意識を持って時間を使うことができれば、仕事やプライベートのバランスが整い、日々の生活に満足感が増して自己実現へのヒントになるでしょう。
自己成長できる
時間に目的意識を持って使うことで、自己成長が期待できます。限られた資源である時間をどのように使うかコントロールできることで、日常生活や仕事の中での優先順位が明確になり、重要なことに集中できるようになります。
その結果、自分の目標に向かって計画的に行動でき、成長の機会に恵まれやすくなるのです。
業務効率が上がる
時間の使い方が上手くなると、業務効率の向上が期待できます。
限られた時間をどのように活用するかを理解し、計画的に行動できるようになると、無駄な時間が減少します。
集中力が高まることで、仕事の質とスピードが向上するため、目標達成までのプロセスがスムーズになるのです。
期限のある業務も余裕を持って取り組むことができるので、プロジェクトの遅延やトラブルを未然に防ぐこともできるでしょう。結果、組織全体の業務効率が上がる可能性が高まるのです。
人生観が変わる
大袈裟に聞こえそうですが、時間の使い方を習得することは、人生観そのものを大きく変える力を持っています。
時間は有限であると向き合ったことから、日々の生活に対する考え方が深く変わるからです。
日々の生活において、無駄な活動や不要なストレスが減り、本当に大切なことに集中できるようになることで「今何をすべきか」が明確になります。
自分自身の価値観や優先順位が明確になると、人生の目的や意味をより深く理解できるようになるでしょう。
なによりも「時間がない」ではなく「時間を作る」に意識が変わります。この気付きは大きく、人生全体の質・価値観を一変させる強さもあります。
人生そのものに対する視点が広がり、より豊かで充実した人生を築くための基盤が整うのです。
ワークライフバランスを獲得できる
時間の使い方を習得することは、ワークライフバランスの獲得にも有益です。時間を上手く割り振って、どこまでを公、どこまでを私と捉えるか、このバランス感覚を得ることが、長時間労働の削減、仕事以外の時間を確保する余裕に繋がっていきます。
時間に余裕が生まれることで、家族との時間や趣味、自己啓発に充てる時間が増え、心身のリフレッシュができるようになるでしょう。
ワークライフバランスについてはこちらのコラムにて解説していますので、人生を充実させたい方はぜひ合わせてお読みください。
時間の使い方が上手くなる「考え方」
時間の使い方が上手くなるには、先述のとおり時間の使い方が上手い人の特徴を捉えて行動すれば、徐々に有効な時間の使い方が習得できるようになるでしょう。
しかし、具体的な方法はわかっているのに着手できないのは、マインドセットができていないからと言えます。では、時間をどう捉えるのか、心理的な側面から考えてみましょう。
時間の使い方が上手くなる心理的な視点
時間の使い方が上手い人は、言い換えれば「ダラダラしない人」。ではなぜダラダラしてしまうのか、これは心身の疲れが直結していると考えられます。
皆さんもこんな経験はないでしょうか。ランチ休憩中「今日は家に帰ってあれしてこれして、夜はゆっくりお風呂にはいって本でも読もう!」とワクワクと計画を立てるものの、実際は帰宅するとダラダラとスマホを見るだけで終わる、という日。
ダラダラしたかったわけではないのに、仕事が終わると気力も体力もどこかへ行ってしまって帰宅後にいろいろ行動するエネルギーが残っていない状態。
これはもう、心も体も疲れているサインなのです。
まずはあなたの内側にある「休みたい」という叫びを受け取ってください。
ストレスで自律神経が乱れ、睡眠もしっかりと取れていない状態では、新たなタスクを組み込む隙間が本来できていないのです。
疲れているなら休む。まずはこれを徹底しましょう。
それから、時間の使い方のマインドセットを整えていきます。まずは自分の行動パターンを深く理解することです。
自己認識を高めることで、どのような状況で時間を無駄にしやすいのかを把握し、改善策を見つける手助けになります。
1日を通して考えたときに「この時間を違うタスクに充てることができそうだ」と考えられる時間を書き出して整理するのも良いでしょう。
また、定期的にストレスや不安をリリースする時間を取り入れましょう。集中力が欠けている状態なのに有意義な時間を過ごそうと頑張っても、結果的に非効率になる場合もあります。
「時間」を新たな視点で捉える:時間はコントロールするもの
時間の使い方が下手な人は、時間を「流れ」として考える傾向にあります。しかし、考えると19時に帰宅したとして深夜0時まではたったの5時間。何かをするにしても、実はかなり限られた時間しかないのです。
そこで、「時間はコントロールするもの」だと認識を変えてみましょう。効果的な「時間の管理」は、自分の行動や選択を意識的に制御することから始まります。
なぜなら19時に帰宅してからの5時間、やらなければならない日常の物事はたくさんあって、なおかつそこに「したい事」をプラスするのですから計画的なアプローチが必須だからです。
具体的な目標を設定し、その目標に向かってどのように時間を使うかを決めましょう。
タスクやプロジェクトを細かく分け、優先順位をつけることで、重要なことに集中することができ、無駄な時間を削減することができます。
そこで役立つのが「メタ認知」です。
メタ認知とは?
メタ認知とは、自分自身の認知プロセスを客観的に捉え、監視し、制御する能力を指します。簡単に言えば「客観的に自分を見る方法」です。
たとえば19時に帰宅してから0時までの5時間を、あなた自身がどのように過ごしているのかを、映画のスクリーンに映し出すように客観視してみてください。
「あ、この時間はダラダラしているから削減できる!」と思える部分はありませんか?
メタ認知が高い人は、自分の行動や思考パターンを冷静に観察し、時間の無駄や集中力の欠如に気づきやすくなります。
客観視することで計画を立てる際やタスクを進める際に、優先順位を正しく設定し、効率的に時間を使うことが可能です。
メタ認知を高める方法は日記や瞑想などさまざま言われますが、どれも共通して「今自分は何を感じているのか」を内観することにあります。
まずは1日数分から、日々の活動や思考を振り返り、自分の行動や決定について考えてみましょう。
どのように考え、行動しているかをより深く理解することができ、自分を俯瞰する癖が習得できるはずです。
時間をコントロールしてなりたい自分へ!
誰もが1日24時間を与えられているのに、ダラダラしてしまって罪悪感があるのなら、まずは心身のストレスから癒して気力と体力の回復を心がけてみてください。
休むときはしっかり休む。これも上手な時間の使い方なのです。