花粉症と食事の関係!花粉症の症状を軽くしたい方必見

マスクの上に眼鏡と花粉症の文字





毎年春が近づくに連れて、花粉症の辛さに悩まされていませんか?

 

花粉症の症状によくある熱っぽさや集中力の低下、倦怠感は仕事への影響も出てきます。今年からは花粉症の症状を軽くしたい方は必見!知っているようで知らない花粉症の事を深堀りしていきましょう。

 

毎年頭を悩ませる花粉症の症状を和らげる効果が期待できる食事と生活のポイントを管理栄養士が解説します。

 

花粉症はなぜ起こる?

花粉症とは、体内に入った花粉に対して人間の身体が起こす異物反応であり、これを免疫反応といいます。身体に入った異物を排除する働きは一般的には良い反応です。

 

しかし時にこの免疫反応が過剰になり生活に支障が出てしまう(マイナスに働いてしまう)場合は、アレルギーとなります。花粉にからだの免疫が反応して鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状を引き起こすために生活の質が低下してしまいがちです。

 

毎年約3000万人が苦しむ花粉症

統計によれば、花粉症の症状に悩む患者数は年々増加しておりその数は人口の1/4にもなると言われています。

 

花粉症のメカニズム

花粉症とは、入ってきた花粉を取り除こうとからだの免疫が反応して起こるアレルギー症状です。鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状を引き起こします。

 

花粉が目や鼻から入ってくると、体内の免疫システムが「花粉=異物=敵」と判断し、敵に対抗するための抗体(IgE抗体)を作ります。このIgE抗体は花粉に接触するたびに作られて少しずつ体内に蓄積され、抗体が十分な量になってからその後に再び花粉が身体の中に入るとくしゃみや鼻水、涙などの症状が現れます。

 

近年では花粉が飛ぶ量が増加しているため、昨年までは大丈夫だったのにもかかわらず今年から急に花粉症になってしまい治療しているという方もいるでしょう。これは蓄積レベルがある一定まで達してアレルギー反応を起こす原因であるヒスタミンなどの物質により、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった花粉症の症状が引き起こされたと考えられます。

 

春が近くなるとくしゃみ、鼻水、鼻づまりに悩まされますが、実は花粉の代表格であるスギやヒノキ以外の様々な植物からも花粉は1年中飛んでいるのです。スギの花粉は雄花の中で7月の初めごろから作られますが、この時期に雨が少ないと、雄花のもとである花芽がたくさん出来上がります。花芽は初秋まで発育を続け、雄花が完成します。そして雄花の中に花粉が作られ、10月の中旬頃に花粉が完成します。この頃から少しずつ花粉が飛び始め、年が明けて暖かくなり始めると花粉が一斉に飛び始めるという仕組みです。

1年を通して起こる花粉症の原因植物の例

スギ 2~4月

ヒノキ 3~4月

カモガヤ 5~6月

オオアワガエリ 6月~8月

ススキ 9月~10月

ハンノキ 1月~4月

シラカバ 3月下旬~6月

 

春以外でも鼻炎に悩まされる事があれば、何かしらの花粉によりアレルギー症状が出ている可能性があります。

 

花粉症の3大症状と言われているのがくしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状ですが、こういった症状は風邪と間違われやすいです。発症するだけでも辛い花粉症ですが、タバコや空気中の汚染物質、ストレスや食生活なども花粉症の症状を悪化させている可能性があるといわれています。

 

花粉症と食事の関係

アレルギーの発症と食生活の関係を調べた論文によると、食の状態が豊かな国ほどアレルギーを持っている率が高く、豊かな食事がアレルギーの発症に関係する可能性が極めて高いとされています。花粉症と関連のある食事について学んでいきましょう。

 

アレルギー体質を改善する栄養素

30代や40代に多いと言われてきた花粉症ですが、食の欧米化も加わり低年齢化が進み10代や小学生で発症するケースも増えてきています。ぜひ、家族全員で食事を見直すようにしてみましょう。

 

賢い油の選び方

花粉症は炎症反応です。実は油の選び方によってはその炎症を悪化させてしまう恐れもあります。

 

揚げ物や炒め物によく使われるサラダ油はn-6系という油に分類され、人が生きて行く上では必要な油ですが摂りすぎると痛みや炎症反応を引き起こしてしまいます。これらはインスタント食品や菓子パン、スナック菓子にもよく使われていますので食べる頻度の高い方は減らすようにしましょう。

 

一方で、炎症を抑え免疫力を上げる働きのある油は魚の脂、えごま油、亜麻仁油などに含まれるn-3系脂肪酸です。n-3系の脂肪酸は現代人に不足している油ですので、花粉が飛び始める前からを意識して摂るようすると効果的です。

 

腸内環境を整える

腸内環境は脳や免疫との関わりが大きい事が分かっています。食生活の乱れにより腸内環境が悪化して悪玉菌が増加すると、花粉症の症状悪化の原因になるともされています。

 

食物繊維は大腸に多くすみついている腸内細菌のエサになるため、日本人が不足がちな食物繊維が含まれる食べ物をたっぷりと摂りましょう。

 

〈食物繊維が豊富な食べ物〉

・さつまいも

・長いも

・ごぼうなどの根菜類

・キノコ類

・玄米

・大豆やおからなどの豆類

・海藻類

・アボカド

・なめこ

 

加えて乳酸菌も腸内の善玉菌を増やす効果が期待できます。納豆や漬物など、日本に古くから存在する植物性乳酸菌を積極的に摂りましょう。ここにはキムチや甘酒、味噌などの発酵食品も含まれ、腸内環境の改善に有効とされています。

青魚のDHA、EPAをとる

魚に含まれるDHA・EPAにはアレルギー物質であるヒスタミンの働きを抑える効果があります。詳しく見て行くと、マグロやイワシなどに多く含まれるDHAには悪玉コレステロールや中性脂肪を減少させ、血管壁への付着を抑えて血液をサラサラに保つ働きがあり、アトピー性皮膚炎にも効果があるとされています。

 

EPAには血液の粘度を低下させ、血液を固まりにくくして血栓症を予防する働きがあります。加えてアレルギー症状の予防と改善、慢性関節炎などの炎症性の症状にも効果を発揮します。ホッケやイワシ、シラス干しなどに含まれています。

 

コンビニで選ぶならこれ!花粉症に優しい食事

忙しい現代人は全ての食事を気遣って手作りにする事は難しい場合も多いのではないでしょうか。花粉症を悪化させない為にコンビニで選びたい食事についてまとめました。

 

選ぶとよいもの

食物繊維が含まれるものや発酵食品はコンビニでも手に入りますので、意識して選びましょう。雑穀入りのおにぎりやブラン入りのパンは食物繊維を摂る事ができるので主食として選びたい食品です。

 

食物繊維はワカメや根菜のお惣菜や砂糖の入っていない野菜ジュースからも摂る事ができます。また、デザートにはケーキやパフェよりも腸内環境の改善に役立つヨーグルトがベターです。

 

花粉の時期には控えたいもの

コンビニでよく目にする揚げ物や、スーパーの特売品で時間が経過している天ぷらなど、酸化している油を特に控えるようにし、食べるならば出来立てを選びましょう。

 

ハイカロリーなカフェのドリンクや菓子パンやケーキ、アイス、ドーナツなど多くの糖質が含まれているものは代謝の段階で多くのビタミンやミネラルを必要とし、本来体に必要な栄養素を消耗してしまいます。また、血糖値の急な乱高下はアレルギー症状を悪化させてしまう恐れがあります。これらの事から、花粉症を悪化させない為に酸化した油や砂糖たっぷりの甘いものは控えるようにしましょう。

 

花粉症を寄せ付けないセルフケア法

どんなに食事や生活で花粉症対策をしても、体の中にどんどん花粉が入ってきては症状を抑える事は難しいです。花粉シーズン中はなるべく花粉を体の中に入れないようにする工夫=花粉を寄せ付けないセルフケアを実践しましょう。

 

室内

・室内に入った花粉はわずかな湿気を吸い込んですぐに床に落ちるが歩いたりするたびに舞い上がります。それを吸い込まないためにも室内に漂う花粉は空気清浄機を利用し、床に落ちた花粉は掃除機や濡れた雑巾でふき取りましょう。

・花粉が溜まりやすいじゅうたんやソファーなどはとくに入念にかけるようにします。花粉が多く飛んでいる日には窓を空けない事や、布団などの大きな物を外に干さないようにしましょう。

 

外出時

・ウールなどの毛足の長い素材は花粉がつきやすいので避けた方が良いでしょう。上着は表面がツルツルしている素材を選ぶと花粉が付着しにくいです。

・静電気防止スプレーを使う事で花粉をキャッチしにくくなり服への付着を抑える事ができる為、利用してみましょう。

・帰宅したらまずは玄関の外で服を叩きましょう。粘着力のあるクリーナーでコロコロを花粉を拭き取ったり、ハンディークリーナーや掃除機で吸い取るのも良いでしょう。

・マスクを付けると鼻腔への花粉の付着量は約1/3になります。だだし頬や鼻とマスクの間に隙間ができてしまうとマスクの効果が落ちてしまうので顔の形に合った使い捨てマスクを選ぶようにします。

・普通のメガネをかけると目の粘膜に付着する花粉は6割になり、「花粉症用メガネ」に

する事で1/3強程になります。

・つばの広い帽子をかぶると髪や顔につく花粉を少なくする事ができます。首筋もスカーフなどでガードして顔や首に花粉がつかないようにしましょう。

 

花粉症を悪化させる生活を避ける

自律神経が乱れる生活を続けていると、いくら食事を正してもアレルギー症状は緩和されにくくなります。現代は24時間営業の店舗が増え、通信技術の発達により不規則な生活を送る方も増えています。生活リズムが不規則になる事で体内時計が崩れ、アレルギー症状が悪化してしまう事にも繋がりますので注意しましょう。

 

また、ストレスも花粉症の症状を悪化させてしまいますので気分転換の時間を持つ事も大切です。アルコールも花粉症を悪化させる原因となります。アルコールを飲みすぎると鼻の粘膜の血管が拡張して鼻づまりなどの症状が悪化し、寝つきも悪くなりますので普段から適量を心がけましょう。食事から花粉症が悪化する事は上記に書いた通りですが、生活習慣も正して行きましょう。

 

正しい睡眠の方法など、日々の疲労回復に役立つ情報はこちらのコラムをご覧下さい。

現代人にとって切り離すことができない『疲労』を回復する力を身に付けよう!

 

まとめ

いかがでしたか?

 

花粉症は鼻水やくしゃみ、目のかゆみ以外にも熱っぽさ、集中力の低下、倦怠感などを引き起こし、仕事や私生活にも悪影響を及ぼします。毎年花粉症に悩まされているのであれば、辛い花粉症の症状を悪化させない為にも薬を併用しながら食生活や睡眠など、生活習慣の改善に取り組みましょう。きっと、去年よりも花粉症の症状に変化が現れるはずです。

 

社員の健康管理については、ライフサポートサービス株式会社までお問い合わせ下さい。

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執筆者プロフィール~日比野 真里奈~
管理栄養士/健康運動指導士

生活習慣病になる人を減らしたいという思いから管理栄養士を目指す。
病院や高齢者福祉施設で栄養指導や栄養ケアマネジメントの経験を積み、現在は離乳食、食育、
生活習慣病予防、女性の健康の分野で食事から健康をサポートする仕事に従事している。2児の母。