つらい頭痛、決して珍しい病気ではなく、きっとあなたも悩まされた経験があることでしょう。なかには、鎮痛剤が手放せない方もいるかも知れません。
仕事中、急に起こってしまった厄介な頭痛には即効性のある治し方を知っておきたいですよね。頭痛のなかには、「ツボ」を刺激することで緊張を和らげ、痛みを緩和できるものがあります。
そこで今回は、急な頭痛や慢性的な頭痛のつらさを和らげる、即効性のある頭痛のツボをご紹介していきます。
頭痛の種類を知っておこう
一言に「頭痛」といっても、さまざまな痛みや種類、原因があります。たとえば、同じ頭痛持ちの人がいても、1人は片頭痛とされる痛み、もう1人は脳梗塞が疑われる痛みなど。
しかし2人とも「頭が痛い」ことには変わりありません。
まず、頭痛には「一次性頭痛」と「二次性頭痛」があることを知ってください。
一次性頭痛とは、片頭痛・緊張性頭痛・群発頭痛といったいわゆる「頭痛持ち」の方が頻繁に苦しんでしまう頭痛で、命に係わる疾患ではありません。
対して、二次性頭痛とは「命に係わる頭痛」を指します。代表的な疾患としてはくも膜下出血や脳出血など、痛みの原因がはっきりしているものが二次性頭痛です。
二次性頭痛は「これまでに経験したことがない痛み」が特徴であると言われています。痛みに加えて手足のしびれや発熱なども併発することがあり、大変危険な頭痛です。
ツボ押しが効果的とされるのは緊張性頭痛と片頭痛
二次性頭痛の場合、悠長にツボを押している暇はなくすぐに専門医に掛かる必要があります。ですが一次性頭痛の場合は、ツボを押すセルフケアで痛みを緩和することが可能です。
特に緊張性頭痛と片頭痛はツボ押しの即効性が効果的に現れやすいためく、痛みの予感がする段階からでもツボ押しで痛みを避けることもできます。
まず片頭痛の場合、その原因となるものは万とあり特定はできませんが、予兆があるのが特徴です。
「閃輝暗点」と呼ばれる目のなかにギザギザの光が走って視野が狭くなる予兆や、寝不足やホルモンバランスの崩れなどがある場合、先に緊張を和らげるツボを押さえておきましょう。
また、肩や首のこりで血流が悪くなり神経が刺激される緊張性頭痛の場合、冷えやストレス、長時間同じ姿勢でいることに根本の原因があると考えることができます。この場合、筋肉の緊張をほぐすツボを押さえることで、頭痛を回避することが可能となります。
ツボ押しの前に!まずは「ツボ」を知ってください。
ツボ押しを信用できない人という方も一定数いらっしゃいます。一様に「疾患と離れた場所を推して症状が良くなるわけがない」というのが信用できない理由です。
確かに、離れている場所を押してなぜ頭痛が軽くなるのか不思議だと思います。この解説をするには東洋医学の考えをまず理解する必要が出てきますので、ご興味のある方はぜひこの段落を読み進めてください。
まず「ツボ」は「経穴(けいけつ)」と呼ばれています。この経穴は「経絡(けいらく)」と呼ばれる「気血(きけつ)」が流れる道に点在します。
気血とは簡単にいうと「エネルギー」のようなもので、東洋医学では身体を造る基本が「気」と「血」のバランスであると考えます。
血気盛ん、とか、血気にはやる、といった慣用句はこの「気」「血」から来ています。
さて、その身体の基礎である気血ですが、この気血の流れる通路が経絡、経絡上の要所に「気の入り口」としてあるのが「経穴」ということです。
気の入り口である経穴を刺激することで、経路を流れる気血の流れをスムーズに調整でき、体調を整えることができる、というのがツボの説明になります。
即効性のある頭痛のツボを解説!
ではここからは、実際に頭痛が起こったときに押さえると即効性のあるツボをご紹介していきます。
ツボ押しの基本は4秒間押さえて、同じ4秒でゆっくりと指を離していきます。「痛気持ち良い」くらいまでの刺激で抑えて、押さえているときは深呼吸も意識するようにしましょう。
百会(ひゃくえ)
「百のつぼが会う」という百会は、頭痛や肩凝り、目の疲れなど「万能のツボ」とも呼ばれます。頭頂部のほぼ真ん中、頭のてっぺんにあり、押さえるとズーンとした痛みがある場所です。百会を押さえることで全身の気血のめぐりが良くなるとされています。
指で押さえるのも良いですが、手根(手の平の手首側)で広範囲を押さえて、軽く回しながら刺激を与えるのも効果的です。
頭痛以外:鼻づまり・高血圧・低血圧・更年期障害・痔 など
えい風(えいふう)
耳たぶの後ろに「乳様突起」と呼ばれる出っ張った骨があります。その骨の下にくぼみがあり、頭痛がする人はその筋肉がきっと固まっていることでしょう。そのまさに骨のくぼみに「えい風」というツボがあります。
スマートフォンやPC作業が多い方、また食いしばりをしてしまう・顎関節症があるといった顎が起因の頭痛の際はこのえい風を押してみてください。
頭痛以外:顔のむくみ、目の疲れ、血行促進 など
風池・天柱・亜門
肩こりや首の緊張から来る頭痛には、この風池・天柱・亜門をセットで覚えていただければと思います。
先ほどのえい風から少し内側に入り、首のすぐ後ろ・首の付け根の生え際のあたりにまず風池があります。
そこから少しまた内に入り、首の真ん中から親指2本程外に天柱、そして後頭部の中心線上、生え際から少しだけ上がったところに亜門があります。
まず風池は、体に入った「風の邪気=風邪」が溜まりやすい場所とされ、風邪が起因の頭痛の際に効能を発揮してくれます。頭痛以外では、肩こりや目の疲れ、風邪の諸症状に良いツボです。
天柱は「柱」とあるように「大切な部分を支える」とされ、頭部の疾患他めまいなどにも効果的とされます。
天柱はとくに片頭痛にも良いとされ、頭部の血行促進のみならず全身の冷えにも対応しています。
そして亜門は頭・耳・鼻の疾患に良いとされるツボです。鼻炎が起因の頭痛に良い場所ですので、花粉症など鼻づまりがつらい時期にぜひ亜門の刺激を取り入れてみてください。また、風池や天柱同様、首や肩のこりにも有効ですので、風池・天柱・亜門のセットで刺激をすると良いでしょう。
睛明(せいめい)
目頭と鼻の骨との間に「睛明」があります。この「睛」とは瞳を表し、睛明は目の疲れに対応しているツボです。PC作業で眼精疲労から起こる頭痛のとき、睛明を刺激することで頭痛の軽減が期待できます。
頭痛以外:眼精疲労全般、充血
手三里
肘をまげたときにできるしサイトを表示わの外側から手先に指三本文程向かった部分に「手三里」と呼ばれるツボがあります。
このツボを押すと「ズーン」と形容されるほど痛気持良い快感がするので、わかりやすい場所かと思います。
ストレスで乱れた自律神経に良いとされ、不安を和らげて精神を安定させるツボとも言われます。
PC作業で腕が疲れている方にも良いので、頭痛のみならず腕の疲れがある方もぜひ押してみてください。
頭痛以外:ストレス性の腹痛、寝違え、肩こり、精神の安定 など
ツボ押ししにくいなら冷やすか温めるかを!
ツボ押しは即効性があるのでぜひ試して頂きたいのですが、慣れていないとツボ押しの姿勢で逆に肩が凝ったり、指を痛めたりということがあります。ツボ押しは難しい、と感じたなら、それぞれの頭痛に合った別の対処法を取り入れましょう。
片頭痛は冷やす
ズキズキする片頭痛の際、脳では血管が拡張して三叉神経が刺激され、強い痛みが出てきてしまいます。血管が拡張して起こる片頭痛は、冷やして安静にすることが基本的な処置です。
冷却シートや保冷剤などを使って10分程冷やしたら、安静に痛みが治まるのを待ちましょう。
緊張性頭痛は温める
緊張性の頭痛は心身の緊張及び血流の悪化などで起こります。血行促進のためには温めて頭痛を緩和すると効果的です。
ストレッチで首や肩を動かしたり、目元にホットタオルを乗せたりするのも緊張緩和になります。
お風呂も効果的でゆっくり温まるために「半身浴」を選択する方がいらっしゃいますが、半身浴は必ずしも首から上の血流に効果的とは言えません。
と言うのも、半身浴では肝心の肩から上が湯から出ており、また長時間の入浴のために雑誌や本を読む方は指先も出てしまっています。
腰痛に半身浴は効果的ですが、肩から上の血行促進を目的とするなら、肩にバスタオルを巻いて冷えないようにしましょう。また、ゆっくり浸かることを目的にするのではなく、指先をしっかり温めて「冷えの対策」をするように心がけるのも大切です。
つらい頭痛は無理をしない!
ツボ押しの効果は即効性がありますが、無理をして頭痛を「無かったこと」にしないように気を付けておきましょう。
ツボ押しが難しい場合は、マッサージや整体など、プロの力を借りてリラックスする時間を設けることも、ストレス解消の有効手段となります。
また、どんな疾患であっても2週間以上続く場合は必ず専門医を受診するようにしてください。
頭痛が起こったら無理せず安静に!頭痛予防には日々のストレスケアも取り入れてくださいね。