今年こそ夏バテに負けない身体をつくる!夏バテ対策の食事ポイントと暮らし方をご紹介

外で汗を拭く女性





今年も暑い夏の季節がやってきました。楽しい行事が盛りだくさんな半面、気になるのは「夏バテ対策」ではないでしょうか。

 

夏バテとは正式名称ではなく、夏の暑さや冷房による体温調節がうまくいかずに体調を崩しやすくなり、倦怠感を感じやすくなる事です。

夏バテを予防するには空調と体温の調節や暑さで食欲がダウンしない工夫、質の良い睡眠や適度な運動が大切です。夏バテを予防する為の食事や生活習慣について、管理栄養士がお話します。

 

【夏バテは主に胃腸障害から始まる】

日本の夏は気温も湿度も高い事が特徴です。消化器官はもともと湿度に弱く、夏バテの原因の多くは暑さからの自立神経の乱れや睡眠不足、胃腸の消化不良などが原因となります。現代は数十年前よりも猛暑日が多く、夏バテによる体調不良や熱中症による患者数も増えています。

 

〇職場の温度は適切か確認しよう

外で働く方は屋外の温度、パソコン業務が多い方は室内の気温も熱中症対策のポイントになります。厚生労働省が厚さ指標についてまとめていますので、詳しくはこちらを参考にして下さい。

https://neccyusho.mhlw.go.jp/heat_index/

参考 厚生労働省 HP

【夏バテから夏風邪への移行に要注意】

風邪をひく原因は空気が乾燥しやすい冬に多いのではと感じる方もいるかもしれませんが、湿度が高い夏の環境を好むウイルスもいるのです。

夏は外気と室内の気温差が激しく体温調節が難しいため自立神経の乱れから免疫力が低下し、夏風邪に繋がる事があります。食欲不振や寝不足からも免疫力が低下して夏風邪を引き起こしてしまいますので、注意が必要です。

 

ここで、夏風邪予防のポイントをおさらいしておきましょう。

 

夏に流行るウイルスの特徴は?

 

〇アデノウイルス

アデノウイルスは感染力が非常に高く、鼻やのどを介して侵入し発熱、のどの痛み、激しい咳、結膜炎などの症状を引き起こします。プールでの接触やタオルの共用などを介して感染する事があるため、プール熱とも呼ばれています。アデノウイルスには51種類もの型があり、感染するウイルスの種類によって症状が現れる部位が異なる為、一度感染しても繰り返しかかる可能性が高いとされています。

 

〇エンテロウイルス

夏に猛威を振るうエンテロウイルスは別名「腸管ウイルス」とも呼ばれ、のどだけでなく腸管でも増殖します。そのため、発熱だけでなく下痢や腹痛などの腸の症状が出やすくなります。子どもが夏にかかりやすい手足口病やヘルパンギーナもこのウイルスによって発症します。

 

冬の風邪では発熱が主症状のインフルエンザが主流ですが、夏になると子どもののどの痛みや胃腸風邪を介して大人が重症化するケースも多いため、手洗いうがいを徹底し、家族で免疫力を上げて行く事が大切です。

 

夏バテで免疫力を低下させないよう、毎日できる工夫を学んでいきましょう。

 

夏バテを防ぐ為の食材や栄養はこれ!

夏バテ予防には何を食べる事が重要なのでしょうか?

ここからは、ポイントを説明します。

 

【夏バテ予防に知っておきたい栄養のポイント】

①炭水化物ばかりに偏らずに「まごわやさしい」食材から栄養をとる

冷たい素麺やお蕎麦は夏の食卓に頻繁に登場しますよね。冷たい麺類はのど越しが良い

ですが、栄養のバランスは整いにくいです。

 

栄養バランスは難しく考えず、「まごわやさしい」食材をプラスすれば簡単に整える事ができます♪

 

ま 納豆、豆腐などの豆類

ご ごま、ねりごま

わ わかめ、もずくなどの海藻類

や やさい

さ しらす、さしみなどの魚介類

い いも類

 

子どもと一緒に「まごわやさしい」食材が彩良く食卓に揃っているかどうかチェックしてみましょう。

 

また、しょうがやねぎ、しそなどの薬味は血行を良くして免疫力を上げる効果が期待できるため、麺類のお供に最適です。

 

②カリウム不足に気を付ける

汗をかくとナトリウム補給が気になりますが、意外に1年のうちでも7月後半の暑い時期に最も低下する血中のカリウムにも注意が必要です。カリウムが低下すると、脱力感や食欲不振などの夏バテ症状を招きます。

 

カリウムを多く含む食材はアボカド、バナナ、キウイ、大豆、海藻類などです。カリウムは熱に弱いため、生食がオススメです。

 

③水分をこまめにとる

人の体内の水分はミネラルと水分で構成されていますが、成人の体の水分量は60%、子どもは70%、高齢者は50%と年齢によっても割合が違います。

脱水症を防ぐ為にもこまめな水分摂取が必要です。

加えて子どもや高齢者は特に脱水症を引き起こしやすい為、水分摂取の声掛けが大切です。

 

また、コーヒーや紅茶など、カフェインを含む飲み物は利尿作用が高いため水分補給に向きません。お酒も同様に、それらを飲んだ後は水を多めに飲む事を意識しましょう。

キンキンに冷えた飲み物のがぶ飲みは胃腸へ負担がかかり夏バテを増長させてしまいますので、夏でも常温を心がけましょう。

 

【夏は麺類に偏りがちなあなたへ!夏バテ回避の食べ方のポイント】

炭水化物に偏らず、お肉や野菜をバランスよく摂れる夏にぴったりの料理メニュー例をご紹介します。

 

【豚肉と野菜の簡単ドレッシングうどん】

肉うどん

※夏バテ予防料理の作り方とポイント

①豚肉と好きな野菜で肉野菜炒めを作る

②ゆでた冷凍うどんを水で冷やし、その上に①をのせてお好きなドレッシングで味付けする

※栄養ポイント

〇タンパク質をプラス

豚肉に含まれるビタミンB群は体内で糖質をエネルギーに替える時に欠かせない栄養素で、酸素を体内に運ぶ鉄分もとる事ができます。また、ネギやにんにくに含まれるアリシンはビタミンB1の利用効率をアップさせる働きがあります。

 

〇簡単に用意できる野菜をプラス

紫外線による夏の疲れを和らげるため、抗酸化作用のある野菜を摂る事はメリットが大きいと言えます。夏に旬を迎えるナス、トマト、キュウリなど、食べやすい方法で野菜を沢山食べるようにしましょう。

このようにタンパク質と野菜が同時にとれる主菜を多めに作って冷凍しておくと、麺類以外にご飯の上に乗せて丼の具にも応用できるので便利です。味付けはお好きなドレッシングでOK!手間なく栄養を補給しましょう♪

 

夏のだるさを回避する生活習慣のポイント

冷房のきいた部屋にいるだけでは体も冷えてしまいますし、筋肉も減って太りやすい身体になってしまいます。夏バテ対策の生活のポイントをご紹介します。

 

【適度な運動を心がける】

夏の疲れによる自立神経の乱れから体温調節機能が低下して、夏バテの症状が出やすくなります。エアコンのついた室内の快適な空間に長くいるといざ外に出た時に汗腺の働きが鈍くなり汗をかきにくくなってしまいますので、日頃からじんわりと汗をかけるような運動習慣を心がける事が大切です。

 

軽いジョギングやウォーキング、スクワット、ヨガなどの有酸素運動を無理のない程度に水分補給をしながら継続的に行いましょう。朝や晩の気温が落ち着いている時間帯がオススメです。

 

【湯舟で冷えた身体を温める】

夏はお風呂に入るのが億劫で、ついついシャワー浴で済ませていませんか?入浴は夏バテの原因の一つである「冷えバテ」の解消にも効果的です。

 

汗をかく事によって体にこもった熱や湿気を外に出す効果があります。20分程度の入浴でじんわり汗をかいたと感じたら、長風呂をせずに上がるようにします。冷房で冷えた身体を温めて自立神経を整えましょう。

 

【良質な睡眠が鍵】

寝つきが悪い、睡眠の途中で起きてしまうなど、睡眠の質が下がると睡眠中に疲労を修復する役割がある成長ホルモンが十分に発揮されないことで、疲労が溜まり免疫力が下がってしまいます。

 

夏は冬に比べて夜更かしをしてしまいがちですが、寝る時間と朝起きる時間は整えるようにしましょう。寝不足から気温差に順応できずに夏バテ症状が悪化する事もあります。

寝る前にはテレビやスマートフォンのブルーライトを浴びない、寝る直前に食事をしないようにするなど、安眠対策を心がけましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?

夏バテをしない事に越した事はありませんが、夏バテの原因として自分の健康に気を使う時間が持てない事もあるかもしれません。

 

もし夏バテになってしまっても、早めに適切な対処をすれば身体のリカバリーも早いといえます。是非この記事を参考にして、できる所から夏バテ対策に取り組んで下さいね。