長続きする減塩のコツ!おいしく食べたい人必見





食事の時間は誰もが自分の好きな物をお腹いっぱい食べたいと思いますよね。しかし、好きな物を制限無く食べていると、生活習慣病のリスクが高まってしまいます。

 

減塩は健康に良いイメージがあるけれど、濃い味でないと食べた気がしない、薄味の食べ物を我慢して食べるのはちょっと…と感じている方もいるかもしれません。しかし、実際には簡単に取り組む事ができる減塩法がたくさんあります。

 

減塩食や塩分の採り方などの減塩のコツについて管理栄養士がポイントをお話します。

 

【高血圧とはどんな病気?】

20歳以上のおよそ2人に1人は高血圧と言われるほど、日本人にとって高血圧は身近な病気です。

 

では高血圧と診断された場合、身体の中では何が起きているのでしょうか?

 

塩をとりすぎると血液内で増えた塩の主成分であるナトリウムを排出するため、心臓が強い力で血液を押し出そうとします。この血管にかかる圧力こそが高血圧な状態であり、血管の老化を早めてしまう事になるのです。

 

高血圧には複合的な原因によって起こる本態性高血圧と病気によって起こる二次性高血圧があります。

 

〇本態性高血圧…遺伝的な体質や加齢などの避けられない要因に加え、食塩やアルコールの過剰摂取、運動不足やストレスなどが複数重なり合って起こる高血圧

 

〇二次性高血圧…原因として睡眠時無呼吸症候群や慢性腎臓病などの原因が明かな病気によって起こる高血圧

 

本態性高血圧と二次性高血圧の割合はおよそ9:1だと言われており、日本人の高血圧の原因のほとんどは体質と生活習慣の乱れが引き金である本態性高血圧です。

 

【高血圧が引き起こす怖い病気】

高血圧が進んで動脈硬化になると、身体の至る所に病変が現れます。心臓では狭心症や心筋梗塞、心不全などに、脳では脳梗塞、脳出血などの脳血管障害がみられます。血圧を下げる事でこれらの恐ろしい病気の予防する事に繋がりますので、継続しやすい減塩のコツについて学んでいきましょう!

 

毎日の食生活でできる減塩のコツ

高血圧の改善のために最も効果的とされるのが、食生活の見直しです。

 

日本人の食事摂取基準によると、目標とする1日の塩分量は男性で7.5g未満、女性で6.5g未満とされています。しかしながら、実際は目標値よりも2g程度オーバーしているのが現状です。減塩を長続きさせるコツとしてまず以下のような点に気を配ることが大切です。

 

・塩分が特にの多い食事を知る

・塩分の少ない食事に変更してみる

 

【1日のスタート!朝ごはんで知っておきたい減塩のポイント】

朝はご飯派ですか?パン派ですか?ごはんやパンと一緒に食べるおかずにも塩分が多いものと少ないものがあります。

 

減塩の基本は塩分の少ないおかずを選び、塩分の多いおかずは完全に禁止にするのでは無くたまに食べて満足感を得る事が長続きの秘訣になります。以下の内容を参考にしてレシピを元に料理をするなど、自宅でも減塩生活を実践してみましょう。

 

〇バターは有塩ではなく無塩にする

〇ドレッシングは大さじスプーン1杯にするなど、量を決める

〇ハムやベーコン2~3枚で塩分が1gを超えてしまうので毎日食べないようにする

 サンドウィッチはハムよりもシーチキンを利用すると減塩になりタンパク質も多く摂れる

〇梅干しは1粒で塩分が2g以上になる事を知っておく

〇納豆は塩分0だが付属のタレに塩分が多いので、辛子やネギ、大葉などの香辛料や薬味を利用して塩分量を下げる

〇塩鮭は1食分の塩分が2~4g程度あるため、生鮭を焼いて少しの塩や醤油でいただく

など、工夫できる点は沢山あります。

 

【調味料で叶う減塩のポイント】

和食は健康食というイメージが強いですが、使用する調味料の多くが味噌や塩、醤油などに偏ってしまうため塩分を控える事は難しいでしょう。調理には減塩醤油など減塩調味料を賢く利用することがおすすめです。

 

〇かけるよりつける

お刺身やとんかつに醤油やソースをたっぷりかけていませんか?かけると塩分量が多く

なるため、小皿に出して少量をつけるようにしましょう。

 

〇だしを効かせる

だしをしっかり効かせる事でうま味が増え、料理の塩分量を減らしても美味しく食べる事ができます。かつお節にはイノシン酸、こんぶにはグルタミン酸といううま味成分が含まれています。だしをとる事がめんどうな時は、市販の無塩タイプのだしパックを利用してだし生活を楽しみましょう。

 

〇酢や減塩調味料を利用する

酢は塩分を含まない調味料であり、減塩料理作りに欠かせない調味料です(すし酢や三杯酢には含まれる)。更に約大さじ1杯(15㎖)の食酢を食事と一緒にとる事で食後の血糖値の上昇をゆるやかにしたり、高めの血圧を低下させる効果が期待できます。穀物酢を使って三杯酢を作ったり料理に黒酢を利用するなど、お酢を活用しましょう。

 

 塩分量の多い醤油や味噌は減塩タイプもありますので、好みの物を活用しましょう。

 

また、調味料の中でも粒マスタードやトマトケチャップ、マヨネーズはもともとの塩分量が

少ないので味噌や醤油の代替えとして賢く利用しましょう。混ぜ合わせてオーロラソースにすると市販のドレッシングよりも塩分を控えられる場合があります。炒めものの味に変化を

付けたい場合はカレー粉(ルーではない)がオススメです。

 

〇カリウムを多くとる

体内でナトリウムを排泄してくれるカリウムの働きは重要です。

カリウムを多く含む食材は野菜、果物、大豆、海藻類などです。カリウムは熱に弱いため、生食がオススメです。

 

果物は血糖値が気になって食べていないという方は、エネルギーとして使われやすい

朝ごはんに頂くようにしましょう。

 

また、レシピに書いてある塩の量の表現方法では

塩少々:親指と人差し指で軽くつまんだ量 約0.6g

ひとつかみ :親指と人差し指と中指の3本でつまんだ量 約1g

と考えます。

 

【食べ方の順番をべジファーストに変えてみる】

 

減塩を継続する為には、食事のルーティン化が有効です。例えばごはん、ハンバーグ、サラダの献立の場合、最初にハンバーグ、ご飯と食べ進めてしまうと最後に残ったサラダはドレッシングをたくさんかけないと物足りなくなってしまうと思います。

 

しかし、食べる順番を変えて最初にサラダから頂く事で味付けを濃くしなくても野菜を美味しく食べる事ができる上に簡単にカリウムや食物繊維を必ず摂る事ができます。

 

更に嬉しい事に、野菜に含まれる食物繊維は糖質の吸収を穏やかにし、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれる作用があります。血糖値が急激に上がると血管の内側の壁(内皮細胞)が傷つきます。この炎症が血管を固くもろくしてしまう原因となるため、動脈硬化の原因を作ってまいます。野菜は付け合わせ程度よりも、食前にたっぷりと食べるようにしましょう。

 

外食での減塩メニューはここに注意

外食は味付けが濃く減塩には向かないかと感じるかもしれませんが、外食をする機会が多い人でも減塩のポイントを抑えれば十分に可能です。外食の場所に応じた減塩のポイントをお伝えします。

 

【ファミレス編】

先ほども書いた通り、和食は塩分が多くなりがちです。和食の定食や丼を選ぶ時はお漬物は残します。お味噌汁は具だけを食べるか半量残すようにすると余分な塩分を減らす事ができます。

パスタ系は比較的塩分が低い物が多いのでオススメです。ラーメンはスープまで飲んでしまうと1食で6〜7g程度の塩分を摂ってしまうので、スープは1口〜2口程味わって必ず残すように心がけましょう。また、ラーメンの種類でも塩スープは他のスープに比べて1g程度塩分量が多い事も覚えておきましょう。

 

【居酒屋編】

居酒屋でお酒とおつまみを長時間ダラダラと口にすると高血圧が悪化してしまいますので注意が必要です。おかずを頼む時は土手煮やタレの焼き鳥など塩分が多いおかずを少なくし、野菜の網焼きやサラダ、酢の物やお刺身などの塩分が少ないメニューを頼みましょう。

 

【コンビニ編】

コンビニ食は比較的塩分の高い商品が多いですが、ここでも減塩のコツを知っておきましょう。

 

まずは食品に記載されている栄養表示を見る習慣をつけましょう。「食塩相当量」と記載のある場合はそのままの食塩量でOKですが、「ナトリウム」と記載がある場合は塩分量への換算が必要です。

 

ナトリウム量(mg)×2.54÷1.000=食塩相当量

で計算する事ができますので、

 

ナトリウム量が330mgと記載がある場合

 

330mg×2.54÷1000=0.83gとなり、食塩相当量は0.8gという事がわかります。

お弁当を購入する際はお弁当に付属されているソースをつけずに食べてみて下さい。また、漬物は残すようにするだけで減塩効果があります。コンビニ弁当は野菜の摂取が少なくなるので蒸し鶏や豆の入った野菜サラダをつけてカリウムを補いましょう。(ハム類は塩分、マカロニは糖質が多くなってしまいます)

 

麺類はうどんやラーメンよりもざるそばやそうめんのようなつけ麺の方が塩分をカットできます。おでんの具は塩分の多い練り物はひかえ、出汁汁も飲まないように気を付けましょう。食塩が低めのオススメの具材は昆布、大根、牛すじ、卵です。

 

まとめ

いかがでしたか?

 

生活習慣病である高血圧は日々の小さな積み重ねで重症化を防ぐ事が十分可能です。

とは言え減塩にばかり気を取られてしまうと毎日の食事が苦痛になってしまうので

好きな料理以外のものを減塩にするなど、メリハリを付けて今出来る簡単な事から始めてみましょう。

減塩指導や生活習慣病などのサポートについては、弊社までお気軽にご相談ください。

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